親から家を相続させてもらっても、結局兄弟誰も住むことのないまま放置されてしまうケースが非常に多くなっています。
しかし、そのうち売るかも、けど今はこのままでいいか・・と呑気に構えているといざとなった時に困った事態になるかもしれません。
家を持つことはそれ自体、住む、住まないに関わらずお金がかかることです。
毎年の固定資産税はもちろん、水回りが傷んでくれば場合によっては百万円単位のお金が出ていくこともあります。
ましてや、居住していないのであれば傷みが早まりますのでしばらく見ていないと色々なところに手を入れる必要が出てきます。
いずれにせよ誰も住まないというのであれば数年であっても維持費をかけるのは勿体ない話です。
売却できる条件の物件であればなるべく早めに売却を検討しましょう。
今はまだ仲が良い兄弟であっても、先々はどうなるかわかりません。
年数を経るごとにそれぞれの家族に色々な事情が出てきて(子供の進学費用の問題や老後の不安など)お互いに条件面で譲らなくなる、ということもあります。
不動産を売却しようとした場合「買主」という相手があることですから、売主側で不動産の名義を継ぐ人=売主がはっきり決まっていない状態で買受希望者を募るわけにはいきません(これについては下記参照)。
もし現在、話し合いが可能な状況なら早めに処分方法を決めてしまい、売りに出したいと思ったタイミングですぐに売却の手続きができるように準備しておくことが大切です。
もともと現金化が最も難しい「不動産」は、「早めに動き」「タイミングを逃さない」ことが最も大切なのです。
親から相続した物件について、「兄弟の間でもう合意しているなら大丈夫」と、相続登記を済ませないうちに買主と契約してしまう人がいます。
ちゃんと理解している不動産業者さんであれば「まず相続登記をしてから」とアドバイスしてくれるのですが、中には勇み足で相続登記未了なのに売買契約をしてしまうことがあります。
登記の技術的に言えば「相続登記」と「買主への所有権移転登記」を同時に出すこともできます。
しかし仮に、契約してしまった後で、次のような事情で「相続登記ができなかった」としたら、売ることができない=買主に対する契約破棄、そして違約金の発生という事態になってしまいます。
・誰が相続するかで、他の相続人の合意が得られなかった
・相続人の誰かと連絡が取れない、あるいは話し合いに応じてもらえない
このようなケースは決して珍しくないのです。
そのため、極力
「相続登記を済ませ、登記簿の名義が変わったことを確認してから売買契約をする方が望ましい」
といえます。
特に、以前は合意していたはずの相続人の気が変わるというのは非常によくあることであり、こうなるとすぐに売却することができなくなります。
また、近年頻繁に起こっているのが「相続人のうち、認知症になって意思能力を失っている人がいる」といった状況です。
これは実際のご相談でも非常に多いケースです。
たとえば、父が死亡して母と子供が法律上の相続人になっていたとします。
父の死亡時には母も元気だったが、その後数年で急速に衰え、いざ話し合いをしたいと思った時にはすでに判断能力がない状態になっているというものです。
このような場合に「子供が母の代わりに実印を押して手続きすればよい」と思っている人も多いのですが、それほど簡単ではありません。
もし、判断能力が衰えている母に代わって誰かが勝手に遺産分割協議書に実印を押してしまえばその契約自体が無効となり、他の相続人が異議をとなえることもできるのです。
法的に正当な手段で遺産分割協議をしようと思えば、「成年後見人」を立ててその人に代理で契約してもらうしかありません。
ただ、いったん成年後見人を立てると基本的に「被後見人(このケースでは母)」が死亡するまで後見人の仕事は続きます。
よって、遺産分割協議のためだけの代理人というわけにはいかないのです。
まだ今なら相続人全員が話し合いをできるという状況なのであればそれを逃してはならず、お金の話を言い出しづらいなどと考えて先延ばしにすることは禁物ということです。
住宅を購入した際に「家が自分の物である」ことを証明するために重要な所有権移転登記。
そして、銀行ローンを組んだ時に必ず必要になる抵当権の設定や、ローン完済の時に忘れずにしておきたい抵当権抹消の登記。
これらのものは、手続の際に専門的な登記の知識が必要になるため、司法書士が手続を代理して行うことが一般的です。
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