一番深刻な問題はここではないでしょうか。

人が住まなくなった家は一気に傷みが進みます。

そして外壁や窓など家を構成する部分が経年劣化で剥がれ落ち、通行人を直撃するなどの危険も出てきます。

日本には現在、空き家の前にある公道を歩くことすら危ないという場所がたくさんあるのです。

もし、自分が管理義務を持つ家屋が原因で人に怪我をさせれば、最悪、損害賠償を請求される可能性もあるということです。

空き家にはホームレスが住み着いたり、不法侵入者が放火をしたりという可能性も高くなります。

実際、同じエリアで近い日にちに不審火が何件も発生し、それがいずれも空き家だったなどの事例もあります。

また、空き家の庭に誰かがゴミを放置したことが原因で次々とゴミが置かれるようになり、いつのまにかゴミ屋敷状態に・・という例もかなりあるようです。

空き家であることプラス、所有者が近くにいない場合は目が行き届かないことが状況をさらに悪化させている傾向があるようです。

倒壊寸前だったり、草が伸び放題の家があることが街全体の景観を損なっていることもしばしばあります。

また、空き家の木の枝が道路に延びていることにより日当たりや見通しを悪化させていることもあります。

このように、空き家は登記簿上の所有者よりもむしろ実際に近所に住んでいる人たちに大きな影響を与えてしまう問題です。

もし、居住する予定がないのであれば早期に売却を検討する方が今後の税金やメンテナンス費用を考えても得策といえます。

特に、年齢を重ねれば重ねるほど他の相続人との関係が疎遠になっていき、売却の話し合いをすることが難しいこともありますので問題を先送りにしないことが大切です。

もし、立地が良いなどの好条件に恵まれた物件であれば、時代に合った間取りにリフォームするなど手を入れた上で賃貸に出すという手もあります。